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PNC TJ1612 98-001, 77 Pages, 1998/03
HAZOPは定性的な安全評価手法の1つであり、その有用性は広く知られている。この方法は様々な分野の専門家により構成されるグループが、ブレーンストーミング形式により組織的に解析を進める手法であり、解析における見落としが少なく、確実な解析結果が期待できる。フォールトツリー解析(FTA)は定性的、定量的に安全性を評価できる手法であり、航空、宇宙産業から原子炉の信頼性、安全工学などに適用されている。しかし、FTAで困難な問題は、いかにしてフォールトツリー(FT)を生成するかという点である。HAZOP、FTAともに安全評価手法としての有用性は認められているが、安全評価には多くの時間と労力が必要であり、計算機によるHAZOP支援支援システムやFT自動生成システムが提案されている。昨年度研究報告書では、解析対象プロセスをメインプロセス部(配管系を中心とした部位)と周辺部(制御回路部、補助装置)に分類し、モデル化することで変数の分類を行った。これによりHAZOPによる解析を配管から電気、空気配管などを含む周辺装置部まで拡張した。この解析結果とHAZOP支援システム(三菱総合研究所が開発したもの)による解析を組み合わせることにより全体の解析を行った。また、HAZOPの解析結果をFTに変換することにより、定性的な解析を定量的な解析へと応用可能とした。本研究では、ユニットの入出力変数の状態に着目して対象プロセスをモデル化し、プラントを構成する各要素の入出力変数の状態と内部事象及び外部事象の関係をデシジョンテーブルにより表現する。このデシジョンテーブルにより整理された情報を基に、HAZOP及びFT生成を行う手法を提案する。デシジョンテーブルの情報を知識ベースとして計算機に格納し、HAZOP及びFT生成を行う解析システムを構築した。この解析システムを高レベル廃液貯槽冷却システム等の安全評価に適用し、有用性を示す。
志水 伸二; 棚井 憲治; 谷口 航; 酒井 裕一*
PNC TN8410 95-027, 56 Pages, 1995/02
地層処分システムの設計研究においては、第二次とりまとめの目標である「人工バリア性能の定量的評価」のための評価対象の明確化を目標として、結晶質岩系及び堆積岩系それぞれに固有な地質環境特性を考慮して適用可能な処分場等の基本設計に必要な解析手法の検討を進めてきている。これらの結果は、第二次とりまとめに向けた今後の解析検討を進めていく上で、問題点や研究の方向性を導出するという観点からも重要なデータである。そこで本報告書は、これら過去に進めてきた解析検討について内容を把握するとともに、それぞれの検討において導出されてきた課題を整理し、今後の解析手法の検討に反映させることを目的として、特に1988年から1991年の第一次とりまとめを行うために検討された設計解析事例を調査し、まとめたものである。
木村 貴海
Journal of Nuclear Science and Technology, 27(12), p.1147 - 1150, 1990/12
バックグラウンド中性子とは何か?この問題は常温核融合研究における極微弱レベル中性子計測と関連して重要である。そこでバックグラウンド中性子の定量的評価を目的として、物質中における宇宙線誘起による中性子発生率を測定した。中性子検出体系内に種々の物質が存在したときに測定された中性子計数率は物質内での中性子多重発生を示唆した。物質1モル当たりの全中性子及び同時中性子計数率は平均原子量Aに対してそれぞれA, Aの相関をもつことを明らかにした。さらに重水に対して測定された中性子計数率は上の関係から予想される値に比べ例外的に高く、その発生率は1.910n/s・kgであった。この結果は重水における中性子発生に、重水素の分解または核融合(?)が寄与することを示している。